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ペルチェ素子(熱電変換素子)の動作原理(2)


物質の両端に温度差を与えた場合


さて、温度差発電というものは、物質の両端に温度差があるときに、発生する現象なのですが、物質の両端に温度差を与えた場合には、どのようなことが起きるか考えてみます。
導体の場合には、両端に温度差を与えても、すぐに物質の中の温度は均一になってしまいます。なぜなら、多く存在している自由に動ける観客(=電子)があちこちに動いて、あっという間に熱を物質全体に伝えてしまうためです。
導体は温度を伝えやすいために、導体の中の温度は均一になりやすく、温度差を与えてもその差がすぐに無くなってしまうのです。

絶縁体の場合には、逆に物質の中の温度は、熱いところは熱いまま、冷たいところは冷たいまま、かなり両端の温度の違いは保たれてしまいます。これは、客席に座ったままの観客(=電子)が、温度差を与えてもしっかり座ったまま動こうとしないためです。

しかし半導体の場合には、奇妙な現象が発生します。

半導体に温度差を与えた場合


N型半導体の両端に温度差を与えると、どのような現象が起こるかというと、まず温度が高い部分の立っている観客(=電子)たちが、元気に動き回るようになります。
そうなると立っている観客(=電子)たちには、動き回るためのちょっと広いスペースが必要となります。近くに同じように立っている観客(=電子)がいると、邪魔になります。
そのために立っている観客(=電子)の一部は、温度の低い方へと移動することとなり、温度の高い方の観客(=電子)の数が減ることになります。

もともとは温度が高い部分にいたけれども、温度が低い部分にやってきた観客は、最初は元気に動き回りますが、やがてその「元気に動き回りたい気分」を、回りにいる観客に分け与えるなどすることによって、動かなくなっていきます。

導体の場合には、立っている観客が非常に多いために、すぐに観客たちの「元気に動き回りたい気分」は全体へと伝わってしまいます。その結果、導体の内部の温度は均一になり、観客たちは全体に散らばったままとなりますが、このN型半導体では、立っている観客が少ししかいないため、なんとなく温度の低い方に立っている観客が多くなることになります。

P型半導体に温度差を与えた場合


P型半導体の両端に温度差があると、どのような現象が起こるかというと、N型と同様に、まず温度が高い部分の観客(=電子)たちが元気に動き回るようになります。
P型半導体の場合は、立っている観客はいませんが、座っている観客たちが席を移動することになります。
その結果、観客たちが席の移動を激しく行ってしまうことによって、時折、空席がある1箇所にまとまってできてしまうことがあります。
そうなると、その空席の方が快適に見えるために、観客はそこを目指してやってきます。温度が低い部分にいる観客もやってきてしまいます。
そのために温度が低い部分の観客の一部が、温度の高い部分へと移動することとなり、温度が低い部分の観客の数が減ることになります。つまり、温度が低い部分に空席が増えることになります。

半導体に温度差を与えて発生する現象


N型半導体の場合には、温度の低い方へと観客(=電子)が移動することになります。電子というのは、電気的には「マイナス」なので、冷たい側に電子が多くなるということは、冷たい側が「マイナス」になります。
「マイナス」同士は反発しあうので、さらにほかの電子が来るということを拒絶しますし、できれば、そこにいる電子としては、ほかの所に飛び出して行きたい状態にあるわけです。

また、電子が冷たい方に寄ってしまったことによって、逆側、つまり熱い側は「プラス」となります。「プラス」と「マイナス」は引き合うので、熱い側は電子に来てもらいたい、という環境が生まれることになります。

この状態は、起電力が発生した、とも言えますし、電位差が発生した、とも言えます。純粋に、そこに小さな電池が生まれた、と言うこともできます。熱い方が電池の+極、冷たい方が電池の−極になります。

P型半導体の場合には、これとは逆の現象が起こります。熱い側に電子が移動するのですから、熱い側が「マイナス」になります。電子が熱い方に寄ってしまったことによって、冷たい側が「プラス」になります。

これもまた、小さな電池と考えることができます。

ペルチェ素子の構造


これまでの説明のように、N型半導体とP型半導体とに温度差を与えると、あたかも小さな電池と同じようなふるまいをします。そのため図1のような構造にN型半導体とP型半導体とを接続して、両端に温度差を与えると、小さな電池を直列に配線した構造となるために、発電されるわけです。

 【図1】
図1
      


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